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1.香料について

バラの香りの本題に入る前の予備知識として、「香料」についてお話いたします。

私たちが日々使っている製品、たとえば石鹸、シャンプー、洗剤などにもバラの香りを感じることが多いと思われますが、これらの香りは香料で作られています。

香料は大きく分けて3種類あります。


 ① 植物、動物から採取した天然香料
 ② 人工的に化学反応をさせて作られた合成香料
 ③ 複数の合成香料を混合したり、

    天然香料と合成香料をミックスして作られた調合香料
 

植物由来の天然香料は花、果実、種、葉、茎、根、樹脂、苔から採取されます。

 

植物由来のものは収穫量が少なかったり、天候によって収穫量が安定しなかったりで、人工的に作られる香料より価格が高くなってしまう傾向があります。

動物香料はじゃ香鹿から採るムスク(麝香)、

アラスカあたりに生息するビーバーから採るカストリウム(海狸香)、

マッコウクジラから採るアンバーグリス(竜涎香)、

それにじゃ香猫から採取するシベット(霊猫香)の、ほぼ4種類に限られます。

シベット以外はワシントン条約批准以降、これらの動物から採取した天然香料は入手できなくなり、現在では大半が人工的に合成して作られる香料で代用しています。

唯一、シベットを採取するじゃ香猫は養殖され、香料採取の目的だけでなく、世界最高級のコーヒー豆を生み出す猫として珍重されています。


イギリスではシベット・コーヒー、インドネシアではコピ・ルアク、フィリッピンではアラミド・コーヒーという名称で売られています。

合成香料は天然香料に比べて、比較的に安価に製造できるものも多く、生産量も需要に応じて調整ができるため、石鹸、洗剤といった日常に使う製品の香りの多くは合成香料を主体として作られています。

香料は使用用途によって、食品や歯磨などの口に入る製品に使われる香料をフレーバー、口に入らない香粧品用香料のフレグランスとに分けられ、食品香料を創る人をフレーバリスト、香粧品用香料を創る人をパーヒューマーと呼びます。


有能なフレーバリストやパーヒューマーは数千種類ともいわれる天然香料、合成香料、調合香料を組み合わせて、目的の香りを作っていきます。

また天然、合成、調合香料には、フレーバーにもフレグランスにも共通して使われる香料も沢山ありますが、口に入れて苦かったり、渋かったり、といった味に問題の有る香料は食品香料には使用されません。
 

ムスク.png
ムスク(麝香)
カストリウム.png
カストリウム(海狸香)
アンバーグリス.png
アンバーグリス(竜涎香)
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