バラの病害虫対策
3 チュウレンジハバチ カイガラムシ
<チュウレンジハバチ>
①発生のサイン
・葉の形がおかしい。
・葉裏にアオムシに似た幼虫が群生する。
②発生時期
5〜11月
③被害
・若い枝に傷をつけて産卵する。
のこぎり状の産卵管で裂け目を入れ、卵を産む。
この時は動きが悪く、じっとしている ので、捕獲して処分し易い。
・幼虫が群生して葉の縁から食害する、激しく食べられて葉の形が変わる。
・幼虫が地面に落ちて土の中で蛹(サナギ)になって越冬する。
④効果的な防除方法
【栽培管理】
・成虫を捕殺する。
幼虫は見つけ次第退治する。
・幼虫が群生している葉と枝ごと剪定除去する
【薬剤による防除】
・オルトランDX粒剤を株元に散布する。
この薬剤のチュウレンジハバチに対する効果は、地植えより
鉢植えの方が、効果が顕著に出る。
【発生初期の薬剤散布の重要性】
・イモムシ、ケムシ系の害虫は大きくなると薬剤が効きにくくなるので、
発生の初期に薬剤散布する事で薬剤効果を出す必要がある。
<カイガラムシ(バラシロカイガラムシ)>
①発生のサイン
・枝の幹に扁平で丸い白色の貝殻に似た症状が出る。
この貝殻の中にいるのは、全てメス。
・バラシロカイガラムシを含む大抵のカイガラムシは、
足が退化して動けないので、そぎ落とすと効果がある。
ただし、ミモザのイセリアカイガラムシは緩慢ながらも動ける。
②発生時期
・年中発生する。
幼虫は6~7月、8~9月に年2~3回発生する。
③被害
・吸汁によって、樹勢が衰える
・排泄物がすす病を誘発し、これにより美観を損なう。
カイガラの中にはカイガラムシのメスの成虫がいて、
これをつぶすと赤い汁が出てくる。
これはカイガラムシが生きている証拠、
薬剤が効果を示すと赤い汁が出ずにカイガラムシは死んでいる。
口紅やかまぼこの赤い色素は、中米にいるコチニールカイガラムシから取っている。
【カイガラムシの生態】
・卵が孵化直後、幼虫には足があって外にはい出すが、
数時間から1日程度しか移動できない。
・カイガラムシの移動は、鳥の足に付いて運ばれることが多い。
オスは、ほとんど見かけることはない
・オスはメスと交尾して1日もたたない内に死ぬ。
④効果的な防除方法
【栽培管理】
・捕殺する。見つけたらブラシで削り取る。
・被害枝を剪定して除去する。
特に、冬の落葉期に見つけやすく防除適期である
【薬剤による防除】
・カイガラムシに、直接散布し防除する。
適用薬剤である、カイガラムシエアゾールを丁寧に散布する。
この剤は、カイガラの中によく浸透し、卓効を示す。