バラの病害虫対策
2 アブラムシ類 コガネムシ
<アブラムシ類>
①発生のサイン
・新芽や茎、蕾に小さい虫が群生する。
そのまわりに白いものが付いているが、これは脱皮した殻。
・葉や蕾に脱皮殻が付いていたり、
アリが登ってきていればアブラムシが発生した証拠
・アブラムシはアリと共生関係にある。
アブラムシの天敵であるテントウムシ(ナナホシ,ナミ)が来ると
アリが、テントウムシを追い払う。(共生関係)
②発生時期
4〜10月
③被害
・バラの生育が阻害される、開花にも影響を及ぼす。
・排泄物が、スス病を誘発し、これにより美観を損なう。
植物の汁をアブラムシが吸うと、不必要な糖分を排泄する為、
排泄物は、甘露と呼ばれ、甘い汁になる。
1匹のアブラムシを防除しないで、
秋まで育つと種類にもよるが2億匹のアブラムシに育つ。
それ故、アブラムシは。特に早く対処する必要がある。
アブラムシは、葉の上の密度が多くなると
翅を持ったアブラムシが生まれて来て、
風に乗って他の場所に移動する。
アブラムシは春〜秋には通常メスしかいないが、
秋になるとオスが生まれ、
交尾し卵を産み、卵で越冬する。
関東以西の温暖地は幼虫や成虫で越冬する。
④効果的な防除方法
【栽培管理】
・捕殺する
→アブラムシを見つけしだいつぶして退治する
枝ごと被害部分を除去する。
・窒素肥料を一度に与え過ぎない。
【薬剤による防除】
・オルトランDX粒剤を株元に散布しておくと、アセフェート、
クロチアニジンが根から吸収され、株全体に広がり
吸汁したアブラムシを長期間防除する。
この剤は、バラゾウムシ、コガネムシ幼虫にも効果がある。
・根から吸収させる薬剤の限界(質問への回答)
土に薬剤が一部吸着するので、高さ1.5m程度までしか吸い上がらない。
それより背の高い場合、浸透移行性効果がある
ベニカ水溶液のような薬剤を葉に散布し吸収させる。
・噴霧器がない場合
ベニカXファインスプレー、
・噴霧器がある場合
ベニカR乳剤、ベニカ水溶剤を使う。
<コガネムシ(マメコガネ)>
①発生のサイン
小麦粉をまき散らしたような白いカビ、
この時、既に菌糸が広がっている。
②発生時期
4月〜11月
③被害
・葉がよじれる、波打って落葉する。
・株が著しく衰弱する。
④発生を促す条件
・比較的涼しく、乾燥すると発生しやすい。
夕方水やりをし、株のまわりの湿度が高まっている所に、翌朝からっと晴れて葉が乾燥するときに発生する。
⑤効果的な防除方法
1)栽培管理
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被害部位の除去
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窒素肥料を一度に与えない(黒星病と同じ)
2)薬剤の散布・耐性菌対策
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黒星病と同じ