バラゾウムシ
(クロケシツブチョッキリ)

加害によって首を垂れた蕾

新芽を加害する成虫
■症状と原因
陽春に蕾ができはじめた頃、成虫が現れて蕾や新芽を傷つけて、その結果、蕾は首を垂れ、新芽は茶色に変色して枯れます。
甲虫の仲間の食害性害虫で、バラ愛好家の中ではバラゾウ(ムシ)と言われる厄介者です。
近年発生が多く、4月中旬から発生が目立ち始めます。
成虫は蕾や新芽に傷をつけながらその中に卵を産み、同時に花柄に穴をあけて導管を切るため、蕾は首を垂れ、新芽はカラカラに枯れます。
その後、地面に落ちた蕾や新芽の中で幼虫が育ち、成熟した幼虫は土の中で蛹になり、その後羽化した成虫が再び地上に出て、バラを加害します。
多く発生するとほとんどの蕾が被害を受け、全く花が咲かないこともあります。
■対処・予防方法
・日ごろから蕾や新芽をよく確認し、成虫を見つけたらすみやかに捕殺します。
成虫は葉を揺らすと地面に落ちて逃げるため、捕殺の際は、幼虫が寄生する場所の下にビンや紙をかざし、そこに落として捕まえ、処分すると効率的です。
・成虫の発生初期に殺虫剤を植物全体にむらなく散布します。
手軽なスプレー剤ではベニカXファインスプレーを、噴霧器を使う場合は、ベニカR乳剤を水で薄めて散布します。
なお、ベニカXファインスプレーは約3週間、ベニカR乳剤は1~2週間、バラゾウムシに残効性があるので、発生時期に予防的効果を狙って使用すると効果的です。

■ベニカXファインスプレー
速効性と持続性を兼ね備えた殺虫殺菌剤。
殺虫成分、殺菌成分は葉に浸透し、バラゾウムシには約3週間効果が続く。
葉の表面に散布することで、葉裏についた病原菌の侵入を防ぐ作用もある。
ハバチ、アブラムシ、ハダニ、ケムシ、カイガラムシ、うどんこ病、黒星病、灰色かび病まで幅広く防除できる。

■ベニカR乳剤
速効性の有効成分で、バラゾウムシ、アブラムシ、ハダニ、ハバチ、ヒラズハナアザミウマ、コガネムシ成虫、ヨトウムシなど幅広い害虫を防除できる。
バラゾウムシには1~2週間残効し、予防的効果がある。